局所麻酔下で行うため手術中の強い痛みは少なく、1本30〜60分が目安。術後は軽い痛みや腫れが出ることがあるため、安静と適切なケアが重要です。
News痛みや腫れが不安な方へ:インプラント治療の流れと負担軽減の考え方
「痛そう」「腫れそう」という不安が生まれる理由
インプラント治療に対して「痛みが強いのではないか」「手術後に顔が大きく腫れるのではないか」といった不安を抱く方は少なくありません。
これは決して特別な反応ではなく、外科的な処置を伴う医療行為である以上、ごく自然な感情です。歯ぐきを切開し、顎の骨に人工歯根を埋め込むという説明を聞けば、具体的なイメージが膨らみやすく、恐怖心が強くなるのも無理はありません。
また、過去に抜歯や歯科治療で強い痛みを経験したことがある場合、その記憶が重なり、不安が増幅されることもあります。実際には、インプラント治療では局所麻酔を十分に行い、術中の痛みを抑える配慮がなされますが、「骨に穴を開ける」という言葉の印象だけが先行しやすいのが現実です。
不安を抱くこと自体は弱さではなく、ご自身の身体を守ろうとする自然な反応であると理解することが、安心への第一歩になります。
ネット情報で不安が増えてしまう背景
インターネットで「インプラント 痛み」「インプラント 腫れ」などと検索すると、強い体験談やトラブル事例が目に入りやすい傾向があります。検索結果では、読者の関心を引きやすい極端なケースが強調されることも多く、標準的な経過よりも「つらかった」「腫れがひどかった」といった内容が印象に残りやすいのです。
しかし、痛みや腫れの程度は、骨や歯ぐきの状態、埋入本数、手術範囲、全身状態などによって大きく異なります。医学的には、適切な診査・診断と術後管理が行われれば、多くの場合は数日から1週間程度で落ち着いていくとされていますが、個人差があることも事実です。
情報があふれる時代だからこそ、断片的な体験談だけで判断せず、信頼できる歯科医師から現在のお口の状態に即した説明を受けることが重要です。
不安を感じたまま治療を受けるリスク
十分に理解しないままインプラント治療に進んでしまうと、術中・術後のわずかな違和感でも「やはり失敗ではないか」と過度に心配してしまうことがあります。
不安が強い状態では、通常の経過の範囲内である腫れや痛みも大きなストレスとして感じられやすく、満足度にも影響します。また、疑問を抱えたままでは、術後のメンテナンスやセルフケアへの意欲が低下する可能性も否定できません。
インプラント治療は、手術そのものだけでなく、事前のカウンセリングや術後の管理を含めた一連の流れが重要です。不安を正直に伝え、痛みや腫れの見込み、翌日の過ごし方まで具体的に説明を受けることで、心理的な負担は大きく軽減されます。
安心して治療に向き合うためにも、「怖い」と感じている気持ちをそのままにせず、まずは相談することが大切です。
POINT
インプラント治療への不安は自然な反応です。
ネット情報に左右されず、十分な説明と相談を経て納得して臨むことが安心につながります。
2. インプラント治療で感じやすい「痛み・腫れ」の正体
手術中の痛みはどの段階で起こるのか
インプラント治療の「痛み」が最も不安視されるのは、手術そのものに対してでしょう。しかし実際には、手術中は局所麻酔を十分に効かせたうえで行うため、鋭い痛みを感じることは多くありません。麻酔注射の際にチクッとした刺激を感じることはありますが、
その後は圧迫感や振動を感じる程度で進むケースが一般的です。骨にインプラント体を埋入する工程では、歯を抜く処置とは異なる感覚があり、「押されている感じ」「音や振動が気になる」と表現される方もいます。これは痛みというよりも刺激に近い感覚です。
術中に不快感があれば追加で麻酔を行うことも可能ですので、不安や違和感は遠慮せずに伝えることが大切です。インプラント治療の痛みは、適切な麻酔管理と事前説明によって大きく軽減できます。
腫れが出る理由と個人差
インプラント治療後の腫れは、外科処置に伴う自然な炎症反応の一つです。歯ぐきを切開し、顎の骨に処置を加えるため、体が修復しようとする過程で血流が増え、一時的に腫れが生じます。
一般的には手術後1〜3日目にかけて腫れのピークを迎え、その後徐々に落ち着いていくことが多いとされています。ただし、骨造成を伴う場合や手術範囲が広い場合は、腫れがやや強く出ることもあります。体質や免疫反応、生活習慣、喫煙の有無なども回復過程に影響します。
冷却や安静、処方薬の適切な服用により、炎症をコントロールすることが可能です。腫れが出ること自体は異常ではありませんが、強い痛みや発熱を伴う場合は早めの受診が必要です。
「痛み」と「違和感」の違い
インプラント治療後に感じる感覚の多くは、実際には「強い痛み」ではなく、「鈍い違和感」や「圧迫感」であることが少なくありません。痛みとは、安静にしていてもズキズキと続く強い刺激を指しますが、違和感は口の中に何かがあると感じる程度の感覚です。
インプラントは人工歯根を骨に固定する治療のため、術後しばらくは周囲組織がなじむ過程で違和感が出ることがあります。これは治癒過程の一部であり、時間の経過とともに軽減するケースがほとんどです。
ただし、痛みが日に日に強くなる場合や、噛んだときに鋭い痛みがある場合は注意が必要です。インプラント治療においては、痛みの性質や持続時間を正しく把握し、不安を抱え込まず相談することが重要です。
POINT
手術中は麻酔で強い痛みは少なく、術後の腫れは自然な炎症反応。多くは鈍い違和感で、適切な管理により軽減が期待できます。
3. 治療前の準備が、痛みと腫れを左右する
精密検査(CTなど)が果たす役割
インプラント治療における痛みや腫れの程度は、手術そのものだけでなく、事前の診査・診断の精度に大きく左右されます。とくに歯科用CTは、顎の骨の厚みや高さ、神経や血管の位置を立体的に把握できる重要な検査です。
従来の二次元レントゲンでは分かりにくかった骨の形態や密度を詳細に確認することで、インプラントを安全な位置に計画的に埋入しやすくなります。無理な角度や過剰な切開を避けることは、術後の腫れや痛みの軽減にもつながります。
また、骨の量が不足している場合には事前に骨造成の必要性を判断できるため、治療の流れを見通した説明が可能になります。精密検査は単なる確認作業ではなく、治療の負担を抑えるための土台といえます。
骨や歯ぐきの状態を事前に把握する重要性
インプラントは顎の骨に人工歯根を固定する治療のため、骨や歯ぐきの健康状態が結果に直結します。歯周病が進行している状態や、歯ぐきに炎症があるまま手術を行うと、術後の腫れや感染リスクが高まる可能性があります。
そのため、事前に歯周組織の検査を行い、必要であれば歯周治療を優先することが重要です。また、骨の密度や厚みは個人差があり、同じインプラント治療でも身体条件によって術式が異なります。全身疾患の有無や服用薬の確認も欠かせません。
これらを総合的に把握したうえで治療計画を立てることで、不要な侵襲を避け、回復を安定させやすくなります。痛みや腫れへの不安を軽減するためにも、事前評価は非常に重要な工程です。
カウンセリングで確認しておきたいポイント
インプラント治療の不安を軽減するためには、技術面だけでなく、十分なカウンセリングが不可欠です。痛みはどの程度想定されるのか、腫れは何日ほど続く可能性があるのか、翌日の生活にどのような制限があるのかなど、具体的に確認しておくことが安心感につながります。
また、治療の流れや通院回数、メンテナンスの必要性についても事前に理解しておくことで、心理的な負担は大きく変わります。質問を遠慮する必要はありません。納得できるまで説明を受けることは、適切な医療選択の一部です。
カウンセリングは単なる説明の場ではなく、患者さんの不安や希望を共有し、治療計画を共に考える大切な時間といえます。
POINT
精密検査と事前評価、丁寧なカウンセリングが、術後の痛みや腫れを抑える大切な土台になります。
4. インプラント治療の流れをステップごとに解説
初診〜検査・診断までの流れ
インプラント治療は、いきなり手術から始まるわけではありません。まずは初診で現在のお口の状態や全身の健康状態について詳しく確認します。既往歴や服用中のお薬、歯周病の有無などは、治療の安全性や成功率に関わる重要な情報です。
そのうえで、レントゲンや歯科用CTによる精密検査を行い、顎の骨の量や質、神経や血管の位置を三次元的に把握します。これにより、インプラントを埋入できるかどうか、追加の骨造成が必要かなどを客観的に判断します。検査結果をもとに治療計画を立て、期間や費用、治療の流れ、予想される痛みや腫れについても丁寧に説明します。
不安や疑問を整理するカウンセリングの時間は、安心して治療に進むための大切なステップです。
手術当日の流れ
手術当日は、まず体調確認と最終的な治療内容の説明を行います。局所麻酔を十分に効かせたうえで処置を進めるため、手術中に強い痛みを感じることは通常ほとんどありません。
処置時間は本数や骨の状態にもよりますが、1本あたり30分から1時間程度が目安です。インプラント体を顎の骨に埋入し、必要に応じて縫合を行います。手術後は止血を確認し、術後の過ごし方や注意事項、痛み止めや抗菌薬の服用方法について説明します。
腫れは術後数日でピークを迎えることが多く、個人差はありますが徐々に落ち着いていきます。当日は安静を心がけ、激しい運動や飲酒を控えることが回復を助けます。
仮歯〜最終的な歯が入るまで
インプラント体を埋入した後は、骨としっかり結合するまでの治癒期間を設けます。この期間は通常数か月で、骨の状態や部位によって異なります。見た目や噛み合わせに配慮が必要な場合には、仮歯を装着して日常生活への影響を抑えることもあります。
インプラントと骨が安定したことを確認した後、型取りを行い、上部構造と呼ばれる人工の歯を製作します。最終的な歯は、見た目の自然さだけでなく、噛み合わせや清掃のしやすさも考慮して設計されます。
装着後も定期的なメンテナンスが重要で、インプラント周囲炎などのトラブルを防ぐために継続的な管理が欠かせません。治療の流れを理解することで、先を見通した安心感につながります。
POINT
初診で全身状態や骨の精密検査を行い、計画を立てたうえで手術へ進みます。埋入後は治癒期間を経て最終の歯を装着し、定期的なメンテナンスで長期安定を目指します。
5. 手術当日の実際:どれくらい痛い?どれくらい時間がかかる?
麻酔中・手術中・直後の感覚
インプラント手術に対して「どれくらい痛いのか」という不安を抱く方は少なくありません。実際のインプラント治療では、局所麻酔を十分に効かせたうえで処置を行うため、手術中に強い痛みを感じることは多くありません。感覚としては、歯を抜くときに近い「押される」「振動を感じる」といった圧迫感が中心です。
麻酔の注射時にチクッとした刺激を感じることはありますが、近年は麻酔方法の工夫により負担を軽減する取り組みも行われています。手術直後は麻酔が効いているため痛みはほとんどありませんが、麻酔が切れてから軽い痛みや違和感が出ることがあります。
これは組織の治癒反応によるもので、処方される鎮痛薬でコントロール可能な範囲であることが一般的です。ただし、痛みの感じ方には個人差があるため、不安が強い場合は事前のカウンセリングで相談することが大切です。
手術時間の目安
インプラント治療の手術時間は、埋入する本数や骨の状態によって異なります。一般的に、インプラント1本あたりの埋入時間はおよそ30分から60分程度が目安とされています。複数本の場合や、骨造成などの追加処置が必要な場合は、それ以上かかることもあります。
ただし、手術そのものの時間だけでなく、準備や麻酔、術後説明を含めたトータルの滞在時間としては、1〜2時間程度を見込むことが多いでしょう。インプラント治療の流れを事前に把握しておくことで、時間的な不安は軽減されます。
精密検査や診断が十分に行われている場合、当日の処置は計画に沿って進められるため、必要以上に長時間になることは通常ありません。手術時間が短ければ良いというわけではなく、正確性と安全性を重視した適切な時間配分が重要です。
当日の過ごし方のポイント
インプラント手術当日は、無理のないスケジュールで過ごすことが大切です。麻酔の影響や緊張による疲労感が出ることもあるため、できるだけ安静にし、激しい運動や長時間の入浴、飲酒は控えます。
食事は麻酔が切れてから、刺激の少ないやわらかいものを選ぶと安心です。腫れは術後1〜2日目にピークを迎えることが多いため、必要に応じて冷却を行い、処方された薬を指示通りに服用します。翌日に仕事が可能なケースもありますが、体調や処置内容によって異なるため、事前に相談しておくと安心です。
インプラント治療の負担を最小限に抑えるためには、当日の過ごし方も治療の一部と考え、医師の指示に従うことが大切です。
POINT
6. インプラント治療の翌日・数日後の過ごし方
翌日は仕事や家事ができるのか
インプラント治療の翌日にどの程度普段通りの生活ができるかは、手術の範囲や本数、骨造成の有無、体調などによって個人差があります。一般的に、1本のみの比較的シンプルなインプラント手術であれば、翌日から軽いデスクワークや日常的な家事に復帰できるケースが多いとされています。
ただし、長時間の立ち仕事や重い物を持つ作業、激しい運動は、出血や腫れを助長する可能性があるため控えるのが望ましいでしょう。また、麻酔の影響や術後の違和感が残ることもあるため、重要な予定がある場合は余裕を持ったスケジュール調整が安心です。
不安がある場合は、事前のカウンセリングで「翌日の過ごし方」まで具体的に確認しておくことが、精神的な負担軽減につながります。
腫れや痛みのピークと回復の目安
インプラント治療後の痛みや腫れは、通常、手術当日から翌日にかけて始まり、2〜3日目にピークを迎えることが多いとされています。その後は徐々に落ち着き、1週間程度で大きな腫れは軽減していくのが一般的です。
痛みについても、処方される鎮痛薬でコントロール可能な範囲であることがほとんどですが、感じ方には個人差があります。骨造成を伴うケースや複数本の埋入では、やや腫れが強く出ることもあります。発熱や強い痛みが長引く場合は、感染などの可能性も否定できないため、早めの受診が必要です。
あらかじめインプラント治療の流れと回復の目安を理解しておくことで、「想定内の反応」として冷静に対処しやすくなります。
してはいけない行動・注意点
インプラント治療後の数日間は、血流が過度に促進される行動を避けることが重要です。具体的には、激しい運動、長時間の入浴、飲酒、喫煙などは腫れや出血のリスクを高める可能性があります。
特に喫煙は、傷の治癒を遅らせ、インプラントの定着に悪影響を及ぼすことが知られています。また、患部を強くうがいしすぎることや、舌や指で触れる行為も避けるべきです。食事は、手術部位に負担をかけないよう、やわらかく刺激の少ないものを選ぶと安心です。
術後の注意事項を守ることは、インプラントの成功率を高めるだけでなく、痛みや腫れを最小限に抑えることにもつながります。不安な点があれば、自己判断せず歯科医師に相談する姿勢が大切です。
POINT
インプラント翌日は軽作業が可能な場合が多いが、腫れは2〜3日がピーク。運動・飲酒・喫煙を避け、安静と指示遵守が回復の鍵です。
7. 痛み・腫れを抑えるために医院側ができる工夫
手術方法・器具・技術による負担軽減
インプラント治療における痛みや腫れの程度は、患者さんの体質だけでなく、手術方法や使用する器具、術者の技術によっても大きく左右されます。
例えば、歯科用CTによる事前の三次元的な診断を行うことで、神経や血管の位置を正確に把握し、必要最小限の範囲で骨を処置することが可能になります。また、切開範囲を抑えた低侵襲な手術法や、精度の高いドリリング(骨に穴をあける工程)を行うことで、組織へのダメージを軽減しやすくなります。手術時間が過度に長引かないことも、術後の腫れや違和感の軽減につながります。
インプラントの痛みをゼロにすることはできませんが、診査・診断から手術計画までを丁寧に行うことが、負担軽減の土台になります。
経験・症例数が影響する理由
インプラント治療では、術者の経験が手術の安定性に影響します。症例数が多いこと自体が結果を保証するものではありませんが、さまざまな骨の状態や難症例を経験していることで、想定外の状況にも冷静に対応しやすくなります。
例えば、骨の厚みが十分でないケースや、過去に抜歯をして時間が経過している部位などでは、事前の判断や術中の微調整が重要になります。経験を積んだ歯科医師ほど、過度に組織を傷つけないアプローチや、腫れを最小限に抑える手技を選択しやすい傾向があります。
インプラント治療の痛みや腫れへの不安が強い方ほど、カウンセリングでこれまでの症例経験や治療方針について丁寧に説明を受けることが大切です。
術後フォロー体制の重要性
インプラント治療では、手術そのものだけでなく、術後のフォロー体制も痛みや腫れの管理において重要な役割を果たします。術後の経過観察を適切なタイミングで行い、炎症や感染の兆候がないか確認することで、トラブルの早期対応が可能になります。
また、痛み止めや抗菌薬の適切な処方、生活上の注意点の具体的な説明も、回復をスムーズにする要素です。万が一、強い痛みや腫れが出た場合にすぐ相談できる体制が整っているかどうかも、安心してインプラント治療を受けるうえで欠かせません。
治療の質は手術室の中だけで決まるものではなく、術前から術後まで一貫したサポート体制によって支えられています。
POINT
事前CT診断と低侵襲手術、術者の経験、術後フォロー体制が、インプラントの痛みや腫れの軽減に大きく関わります。
8. インプラントは「入れて終わり」ではない治療
メンテナンスが必要な理由
インプラント治療は、人工歯根をあごの骨に固定することで失った歯の機能を回復させる方法ですが、装着した時点がゴールではありません。インプラント自体はむし歯にはなりませんが、周囲の歯ぐきや骨は天然の組織であり、清掃状態や噛み合わせの影響を受けます。
特に注意したいのが「インプラント周囲炎」です。これは歯周病と似た炎症で、進行すると骨が吸収し、せっかく埋入したインプラントが不安定になる可能性があります。また、噛み合わせの変化や強い力が加わることで、上部構造のゆるみや破損が起こることもあります。
インプラントを長く機能させるためには、定期的なチェックと専門的なクリーニングが欠かせません。治療後のメンテナンスは、インプラント治療の一部と考えることが大切です。
メンテナンス不足で起こるリスク
インプラント治療後に通院が途絶えると、症状が出にくいままトラブルが進行することがあります。インプラント周囲炎は初期段階では自覚症状が少なく、痛みや腫れを感じにくい場合もあります。
そのため、気づいた時には骨の吸収が進み、再治療が必要になるケースもあります。また、被せ物のゆるみやネジの緩みを放置すると、噛み合わせのバランスが崩れ、他の歯やあご関節に負担がかかる可能性もあります。
さらに、日常のブラッシングだけでは取りきれない汚れが蓄積すると、細菌が増殖しやすい環境が生まれます。インプラントは「丈夫だから大丈夫」と考えられがちですが、天然歯以上に丁寧な管理が求められる治療です。定期的な受診は、トラブルを早期に発見し、大きな問題を未然に防ぐための重要な取り組みです。
長く使い続けるために必要な通院頻度
インプラントを長期的に安定させるためには、一般的に3〜6か月ごとの定期メンテナンスが推奨されます。ただし、通院頻度はお口の状態や歯周病の既往、喫煙習慣、全身疾患の有無などによって異なります。
例えば、歯周病のリスクが高い方やセルフケアが難しい場合は、より短い間隔での管理が望ましいこともあります。メンテナンスでは、歯ぐきの炎症の有無、噛み合わせのチェック、専用器具による清掃などを行い、必要に応じて調整を加えます。
インプラント治療は、適切なメンテナンスを継続することで、長期的な機能維持が期待できる治療法です。不安や疑問がある場合は、遠慮せず担当医に相談し、自分に合った管理計画を立てることが安心につながります。
POINT
インプラントは入れて終わりではなく、周囲炎やゆるみを防ぐために定期的な検診と専門的なメンテナンスが欠かせない治療です。
9. 不安が強い方ほど大切にしてほしいカウンセリングの考え方
痛みや腫れの不安は遠慮せず伝えていい
インプラント治療を検討する際、「痛みが強かったらどうしよう」「腫れが長引いたら困る」といった不安を抱くのは自然なことです。しかし、こうした気持ちを十分に伝えないまま治療計画が進んでしまうと、実際の治療以上に心理的負担が大きくなることがあります。
カウンセリングでは、痛みの感じやすさや過去の歯科治療での経験、体質、服用中の薬などを具体的に共有することが重要です。これにより、麻酔方法や術後の痛み止めの処方、腫れを抑えるための対策などを事前に検討できます。
インプラントは外科処置を伴う治療ですが、適切な診査と説明、そして双方向のコミュニケーションがあれば、不安は大きく軽減できます。不安を伝えることは「弱さ」ではなく、安全で納得のいく治療を受けるための大切な準備です。
無理に治療を進めない選択肢
インプラント治療は有効な選択肢の一つですが、すべてのケースで最優先となるわけではありません。骨の状態や全身疾患の有無、生活環境、メンテナンスへの通院可能性などを総合的に評価したうえで、他の補綴治療と比較する必要があります。
カウンセリングでは、メリットだけでなく、想定されるリスクや治療期間、腫れや痛みが出る可能性についても丁寧に確認することが大切です。その場で即決する必要はなく、一度持ち帰って検討することも適切な判断です。
治療を急がせるのではなく、複数の選択肢を提示し、それぞれの特徴を理解したうえで判断できる環境が整っているかどうかは、医院選びの重要な視点といえます。無理なく進められる治療計画こそが、結果的に身体的・心理的負担を抑えることにつながります。
「納得して決める」ことが結果的に負担を減らす
インプラント治療における満足度は、手術の成功だけで決まるものではありません。治療の流れ、予想される痛みや腫れ、翌日の過ごし方、長期的なメンテナンスまでを理解し、自分自身が納得したうえで選択できたかどうかが大きく影響します。
十分な説明を受けずに開始した場合、些細な症状でも不安が増幅されやすくなります。一方で、事前に情報を共有し、疑問を解消していれば、術後の経過も冷静に受け止めやすくなります。カウンセリングは単なる説明の場ではなく、治療に向き合うための心の準備を整える時間です。
納得して選んだインプラント治療は、結果として精神的負担を軽減し、術後のメンテナンスにも前向きに取り組みやすくなります。
POINT
不安は遠慮せず伝え、十分な説明を受けて納得して選ぶことが、インプラント治療の負担軽減と満足度向上につながります。
第10章|FAQ|インプラントの痛み・腫れ・流れに関するよくある質問
Q1. インプラント手術は本当に痛いですか?
インプラント手術は局所麻酔を行ったうえで進めるため、処置中に強い痛みを感じることは一般的には多くありません。麻酔が切れた後に鈍い痛みや違和感が出ることはありますが、多くの場合は処方された鎮痛薬でコントロールできる範囲とされています。ただし、感じ方には個人差があるため、事前に不安を伝えることが大切です。
Q2. 痛みに弱いのですが治療できますか?
痛みに対する不安が強い方でも、治療は可能なケースがほとんどです。麻酔方法の工夫や、処置中の声かけなど、心理的な緊張を和らげる配慮が重要になります。過去の歯科治療でつらい経験がある場合は、その内容を具体的に伝えていただくことで、より適した対応を検討できます。
Q3. 腫れはどれくらい続きますか?
術後の腫れは個人差がありますが、通常は手術後2〜3日目をピークに、1週間前後で落ち着いていくことが多いとされています。骨造成など追加処置を伴う場合は、やや腫れが強く出ることもあります。冷却や安静を守ることで、症状の軽減が期待できます。
Q4. 翌日は仕事に行けますか?
デスクワークなど身体への負担が少ない仕事であれば、翌日から通常通り過ごせる方もいます。ただし、腫れや違和感が出る可能性があるため、大切な予定の直前は避けるなど余裕を持ったスケジュール調整が望ましいです。体力を使う仕事の場合は、数日間の安静を勧められることもあります。
Q5. 手術時間はどれくらいですか?
埋入する本数やお口の状態によって異なりますが、1本あたり30分から1時間程度が目安です。複数本の場合や骨の処置が必要な場合は、さらに時間を要することがあります。事前の診査と治療計画によって、おおよその所要時間は説明されます。
Q6. 鎮痛薬はどの程度必要ですか?
多くの場合、数日分の鎮痛薬が処方されます。術後の痛みは徐々に軽減していくことが一般的で、数日で服用を終える方が多い傾向です。ただし、強い痛みや長引く症状がある場合は、自己判断せず早めに相談することが重要です。
Q7. 高齢でも痛みや腫れは強くなりますか?
年齢だけで痛みや腫れが強くなるとは限りません。全身状態や服用薬、骨の状態などが影響します。高血圧や糖尿病などの持病がある場合は、内科医と連携しながら慎重に進めることが大切です。適切な管理のもとであれば、高齢の方でも治療が行われるケースは少なくありません。
Q8. メンテナンスをしないとどうなりますか?
インプラントはむし歯にはなりませんが、周囲の歯ぐきに炎症が起こる「インプラント周囲炎」のリスクがあります。定期的なメンテナンスを受けずにいると、腫れや出血、最悪の場合はインプラントの脱落につながることもあります。長く安定して使うためには、継続的な管理が欠かせません。
Q9. 他院で怖い思いをしたのですが相談できますか?
過去に痛みや説明不足で不安を感じた経験があっても、相談は可能です。まずはその体験や不安の内容を丁寧に共有していただくことが重要です。治療を急ぐのではなく、現在の状態を確認し、納得できる選択肢を整理することから始められます。
Q10. まずは話だけ聞くことは可能ですか?
はい、カウンセリングのみの相談も可能です。インプラントの治療の流れ、痛みや腫れの可能性、費用やメンテナンスについて説明を受けたうえで、持ち帰って検討することも大切なプロセスです。十分に理解し、納得したうえで決めることが、後悔の少ない治療につながります。
POINT
局所麻酔で手術中の痛みは抑えられ、腫れは数日〜1週間程度が目安。翌日の生活や仕事は内容次第で可能なことも。定期メンテナンスと十分なカウンセリングが長期安定の鍵です。
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再発率0%を追求した
誠実な歯科医療を横浜市鶴ヶ峰で
監修:横浜グランアズーリデンタルクリニック鶴ヶ峰
所在地〒:神奈川県横浜市旭区鶴ケ峰2丁目9−1
電話番号☎:059-245-5358
*監修者
横浜グランアズーリデンタルクリニック 理事長 駒ヶ嶺 大輔
*出身大学
昭和大学歯学部卒業
*経歴
・大和徳洲会病院歯科 口腔外科研修医
・日本大学医学部付属板橋病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科学系 歯科口腔外科学分野 入局
・日本大学医学部付属板橋病院 麻酔科 医科麻酔研修 修了
・日本大学 医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学系 歯科口腔外科学分野 現在は非常勤
*所属
・口腔インプラント学会
・日本歯周病学会
・5-D japan
・5-DFST













