News10/29
知らない事は眼には映らない
眼でなく知識でみる
勤務医時代の、お世話になった先生の ブログを拝見していたところ
こんな いいお言葉を発見しました(^^♪
少し前にいらっしゃった、患者さんですが
主訴『舌がヒリヒリして、痛い』
数ヶ月前から、何件か歯科医院を受診し
治らず、口腔外科を受診するも【舌炎】と診断され
うがい薬、軟膏を処方され、
これで様子見てくださいと言われるも
一向に改善しない為、何か恐い病気なんじゃないか
と心配され、当院にいらっしゃいました。
(主訴) 舌がヒリヒリする
(既往歴) リウマチ
この時点で、ある疾患が 頭に浮かびます。
さらに問診を進めていくと
(ドライアイ) (口腔乾燥)の自覚症状があることが分かり
さらに精密検査を行う事に。
採血を行い、確定診断を行う為、
Lip Biopsy( 口唇生検)を行います。
診断結果は予想通り【シェーグレン症候群】
大学病院の血液膠原病内科と連携し、治療をスタートします。
舌の病態だけを見れば最初の舌炎という診断は間違いではないですが、
そこへ至る過程を、診断できなければ患者さんを治すことはできません。
舌がヒリヒリするという症状が発症するまでの過程は
①シェーグレン症候群に伴う、口腔乾燥
②不良補綴物(適合の悪い被せ物)、極度の食いしばり、
歯ぎしりにより歯の鋭縁が多数あり(歯がとんがっている状態)
軟組織である舌と 我々の身体で1番硬い組織である歯が
慢性的に、こすれ合ったことによる 舌の擦過による舌炎
という診断になります。
シェーグレンまでの確定診断に及ぶケースは比較的まれですが、
口腔乾燥+歯ぎしりによる歯牙鋭縁=舌炎といった
患者さんを何百件と診てきました。
その患者さんも、今では舌炎の症状も無くなり、
3ヵ月メインに一度のメインテナンスに来て頂いております。
眼でなく知識でみる。
その通りだと思います(^^)
来月も 3週連続で休日は勉強会で
12月からは、待ちに待った 1年間コースの研修会が
スタートします。
知識を深める秋です。